Episode 12 「破壊の吸血鬼、再戦」

フラン「アハッ、アハハハハ」

影菟「くっ、剣一本じゃ…」

フランは四人、つまり四本の炎の大剣を俺に向けて
斬りかかって来るのだが、……対する俺は一人、一本で、分が悪すぎる。
フランの大剣が俺の体を捉える。

影菟「あぐっ」

体制を崩した俺に残る三本の剣が次々に俺の体を切り裂く。

フラン「イッパイアソンデクレテアリガトウ、ジャアネ、オニイチャン」

片言に喋るフランの目は狂気に満ちている。

フラン「コワレロ!」

動けない俺に向かって四人が突っ込んで来る………はずだったが、四人のフランが目の前で消えた、…正確には一本の極太のレーザーによって姿が見えなくなっただけだが。

魔理沙「影菟!大丈夫か!」

霊夢「ごめん、遅くなったわ」

影菟「二人とも、ありがとう」

そう言うと、俺は再び背中から愛剣『霊剣・ダークナイトソード』を引き抜いた。

フラン「ククク、アハハハハ!キエロ、キエロ、キエロー!」

四人が一斉に俺に向かって剣を振り回して来た。
『剣を使っている』と、言うより『剣を振り回している』と、いった方が良い。
右から斬ると見せかけて、左から、なんてフェイントもなく、一直線に斬ってきて、剣で受けることは簡単だ___一人なら___
フランは四人に分身していて四方八方から斬りかかってくるため一本の剣じゃ受けきれない。

影菟「せめてもう一本あれば………そうだ!」

影菟「魔理沙!後何回マスパ撃てるか!」

魔理沙「後二回!」

影菟「分かった!じゃあ俺に向けて撃ってくれ」

魔理沙「えっ、でも…」

影菟「良いから早く!」

魔理沙「もうどうなっても知らないぜ!」

影菟「霊夢も、お前の持っている技で一番強いヤツを俺に向けてぶっぱなせ!」

霊夢「何考えてるか知らないけど…まあ…分かったわ」

魔理沙「マスタースパーク!」

霊夢「夢想封印!」

影菟「今だ!」

俺はその言葉と共に二人の技の中に消えていった。